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ギリギリ間に合ったー(笑)
お待たせしましたvv(待ってる人いないよなぁ。)
あと1話。明日中にUP出来ますように!!


注:ギンイヅ・BLと言う言葉に抵抗・不快感がある、もしくはその言葉の意味が分からないと言う方は続きは読まないで下さい。
『約束』


-3-


「この辺りでちょっと休憩しよか。」

半刻ほど静かな夕暮れの街を歩いた頃、2人掛けの長椅子を見つけ、腰を下ろした。

「・・・はい。」

夏の夕暮れの風は少し蒸し暑く、心地よいと言えるものではなかったが、この浴衣のせいか、なぜかとても涼しく感じられた。

「なんか甘いモン、食べたなったなぁ。」
「甘い物ですか?歩いたからお疲れになりましたか?」
「そうなんやろか。何や無性に食べたなったわ。」

普段なら甘い物が食べたいなどとあまり言わない人だ。
それだけ歩き疲れたのか、それともまたしてもただの思いつきから生まれた言葉なのか。

「あ、そうだ。いいものがありますよ。」

僕はさっき袖にしまった物を探った。

「これ、どうぞ。」

小さな袋には十数個、まんまるで口内で転がすには少し大きい飴玉が入っていた。
一つ一つ色が違い、見ているだけでも楽しい。

「団栗飴?」
「はい。とっても甘いみたいですよ。」
「こんなんどうしたん?」
「さっき出がけに草鹿くんに会ったんです。凄く綺麗だから買ってみたけど、大きくてなかなか溶けないから、すぐに飽きちゃったらしくて。貰ってと言われたので、お言葉に甘えて頂いてきました。」
「イヅル、こうゆうのん好きやったん?」
「いいえ、そういう訳ではありませんが、ただとても綺麗だったので。・・・食べずに見てるだけでもいいかなって。」
「見てるだけか・・・。ま、ええわ。1つ貰うわ。」
「はい、どうぞ。」

青い線の入った飴玉を袋から取り出して、隊長が口に入れる。
やはり少し大きくて、左の頬が飴玉の形に膨れた。

「・・・クス」
「ん?どうしたん?」
「あ、失礼致しました。何だか、すごく隊長らしくないなあと思ったもので。」
「何が?」
「頬が・・・ふふ、なかなか見れる姿ではないでしょう?」
「そぉか?」
「ええ。」
「イヅルも食べてみ?まあまあ美味いで。」
「あ、はい。」

碧の線の入った飴を手に取ると口に放り込む。やはり大きくて美味く転がせず、片方の頬に寄ってしまう。

「・・・あはははは。ほんまやなぁ。あんまり見れる姿やないわぁ。貴重やな。」
「え、僕もですか?」
「そうや。いっつも冷静沈着な副隊長さんには不似合いやわぁ。」

じっと隊長が僕を見た。
僕はまた視線をずらす。どれだけ副隊長として側で仕事をしてきたか分からないのに、この目にじっと見られることだけはどうしても慣れない。

「やっぱりただ、見るだけやったらあかんのやろうな。」
「え?」
「1度は触ってみやんとな?」
「隊長?」
「これもう飽きた。」

口に入っていた飴を遠くに飛ばすように吐き出して、隊長が言った。

「イヅルのちょうだい。」
「え・・・た、隊長・・・・・んっ!?」

一瞬、何が起こったか分からなかった。
隊長の顔が、すぐ目の前に近づいたかと思うと、僕の口の中の飴を少し舐めた後、僕の唇をなぞる

「わ・・・わわわ・・・た、隊長ーーー!?」

慌てる僕を見て、にこっと笑った後、口が離れ、顔が離れる。
僕の頭は突然の事態についていけず、呆然とその場に立ち尽くす。

「うーん・・・あんまり味変わらへんなぁ。」

その言葉で、ただ味見がしたかっただけなのだと分かり、ようやく普通に話せるくらいには平静を取り戻す。

「た、隊長!!ご冗談はお止め下さい。」
「そんな怒らんでもええやろ。味見してみやんとただ見るだけやったら、味分からへんやろ?」
「まだ袋の中にいっぱいあるじゃないですか。」
「イヅルのが食べたかってんもん。」
「・・・そんな事言われましても。」

隊長にとってはきっと、たいした意味を持たないこと。
だけど僕にとってはこれだけの事が本当に大事件で・・・
心臓の音が早くなる。きっと顔も酷く赤い。

「なあ、イヅル。やっぱり見てるだけやったらあかんやろ?」
「え?」
「この浴衣かて、結局、ホンマに似合うかどうかはイヅルが着てくれんかったら分からんかったしな。」
「隊長?」
「せやから、イヅル、見てるだけではあかんよ。」

隊長が何を言いたかったのか、さっきのことで頭が混乱していたので、すぐには分からなかったけど、本当は良く分かっていた。
ただ遠目に見ているだけでは知る由もなかったこと。
それは、きっと今の僕が1番良く知っているはずの真実で―――――。



「あ、ええもん見つけたわ。ちょっと待っとって。」
「?・・・はい。」

隊長がどこかへ歩いていく背中を見送りながら、思う。
本当はもっと近づきたかったのだと。
いつでも傍でお仕えさせて頂ける今は確かに十分幸せだけれど、後一歩近づいたら、そこにはどんな風景があるのだろうと知りたかった気持ちが本当はあったことは否めない。まさかその気持ちを隊長自身に教えられるとは思いもしなかったけれど。




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